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会長の目


レンタカー:トラブルとクレーム  
宮本 忠

 

当協会の第12回の豪親善交流旅行も、ただ一つの問題を除いて、
いつものように参加者七名全員が元気でニュージーランドから帰国した。
問題とは、レンタカーに関わる問題である。

帰国後、問題につき、レンタカー日本事務所に対して郵便書留にて以下のようなクレームを行った。
差出人は、三重オーストラリア・ニュージーランド協会会長 宮本 忠、名宛人は
クレーム先を調べてもわからなかったので、社長宛とした。

遺憾ながらクレームいたします。当協会は原則、毎年ニュージーランドとオーストラリアを
交互に親善旅行を実施しています。今回で12回です。レンタカーは毎回、貴社の車を
利用させていただいています。今までは何の問題もなく快適なドライブの旅を楽しんできました。
しかるに今回、見逃すことのできない以下のような問題が発生し、女性3名、男性4名のシニアは、
不安を抱きながらのドライブ旅行となりました。
また、これに対処するために無駄な時間を費やすこととなりました。

2013年10月17日 木曜
朝、クライストチャーチ国際空港に到着。直ちに日本で予約してあるレンタカー事務所に行った。
手続きを済ませ車の鍵を受け取り案内はなく広大な駐車場に入る。
ニュージーランドでは人手が少ないためか、「案内なし」のスタイルが普通である。
手分けしてやっと8人乗り車を発見。不安が走る。日本でレンタカー事務所に申告した日本車でなく、
タイヤてかてか、ミゾのすり減った他国産の車だったからである。国道1号線を北上。
後部座席の者が、「車の下でときどきカタコト変な音がすする」と言っている。


18日 金曜
夕方6時過ぎ、近くのスーパーに夕・朝食を女性たちで買いにいったところ、
途中からへんな音がし始め、スーパーの駐車場に止めチェック。左後輪のパンクのようなので
そのままにしておくことはできず、ゆっくりとモーテルまで戻ってきた。
モーテルのオーナーに相談したところ、早速スペアタイヤの取り付けを手伝ってくれた。
スペアタイヤは車体の下に取り付けてあり、それをはずすのが大変。オーナーが大きな体で
車体の下にもぐり、力いっぱいネジを回したり、工具もいろいろ使い大変な作業をして
スペアタイアと取り替えてくれた。そしてオーナーは、ガソリンスタンド、タイヤセンタ−を紹介してくれた。

19日 土曜
午前9時タイヤ修理のために3人を当て、他は鯨ウオッチングに出かけた。
先ず、給油のためガソリンスタンドを訪れた。係のお兄さんが言う。
「どの種類の油を入れたらよいかわからない。レンタカーに関係する文書を見せてください」。
空港オフィスでもらった文書を念入りに読み、レギュラーを入れてくれた。
これも初体験。いつもはスタンドでレンタカーに給油してもらうとき、
「ハイオクか、レギュラーか」という短い言葉でことが足りてきた。彼は説明する。
「この車には、ディーゼル車とワッペンがはってあるので油の種類がわからなかった」。
ここのスタンドもこのタイヤの修理はできないとのことだった。他のスタンドは土曜休業。
タイヤセンターに行った。おにいさんは、「パンクしているタイヤは当店にないので
どうすることもできない。このスペアタイヤでは80km以上のスピードをだすと危険。
長距離を走ることも危険だ」と言う。カイコウラからクライストチャーチ空港まで
200kmはある。午前の飛行機にのるのだからぶっ飛ばして空港まで行く計画を立て
てきた。時間の余裕はない。今回の旅行は例年より日程を詰めてきた。これは難問。
そしておにいさんは、クライストチャーチ空港レンタカー事務所に交渉のための電話をしてくれた。
事務所の回答はこうだった。
「スペヤタイヤで空港まで来るように。でも自分でタイヤ交換をしてくれるところを
探し交換してもよい。支払いは自分ですること。領収書をもってくれば後で払い戻しする」。
オーナーに紹介されたガソリンスタンドにも行ったが、修理部門は閉店だった。
体内に暗雲が漂う。明日は日曜。多くの店舗は休業。
途方にくれ、あきらめ気分で海岸沿いの水族館を見学。鯨組みをピックアップして
午後一時過ぎに全員で昼食。レストランを出るとき、現地女性と結婚しているという
日本青年ウエーターがタイヤ修理店を紹介してくれた。喜んで駆けつけた。土曜休日だった。
しかし隣の店の女性店員が親切にも、モータボート店に電話してくれた。
店の裏で仕事をしていたオーナーが出てきてくれ、ストックの中から使えそうなタイヤを探し
もってきてくれ、「適切なサイズではないから帰ったら取り替えるように」と言いながら、
モーテルで苦労して取り付けたスペアタイヤをはずして取り替えることになった。
またまた大男が車体の下にもぐって仕事をしてくれた。私たちの小柄なSさんが
てきぱきと手伝い大活躍。Sさんをオーナーは、「とってもハンディーだ」と喜んでいた。
こういうときには'ハンディ'というのだと生きた英語の勉強もできた。オーナーが
「日本に行ったことがある」と、いろいろな地名をあげて、「うちの店はヤマハボートの代理店だから
浜松に研修に出かける」とのこと。道理で店の看板にヤマハと書いてあった。
Yさんが「休日なのに親切にしていただけてうれしい」とお礼を言うと、
「日本でも同じように外国の人に親切にしてあげて」と言われ、
「オフコース!」とYさんは応え、心の中でウインクしたとかしなかったとか。

20日 日曜:
すっきりした気分で全員で朝食。モーテル近くの浜辺で日の出を仰ぎ、一路、
約200kmのクライストチャーチ空港に向かう。空港付近のスタンドでガソリン満タン。
空港レンタカー事務所において以上を述べ、「これは重大クレーム」と
声を大にしながら、車のキーを返納した。若い女子係員、
「最初のときの担当は店長。本日は休み。明日月曜、出社したら必ず伝えます」と。
英語不自由な、地理不案内、長距離運転する日本人にとってこのようなレンタカーでは困ることを
強調して、日本事務所に郵便書留便を送った。結果、現地空港事務所から、
「おわび」として若干の金印が振り込まれてきた。



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